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2010/12/29

EOL/Elements Of Life(1998)

年末はちょっと色々忙しくて更新が滞ってしまいました・・・。
今年は年末になって色々良いアルバムが次々と発売されてウハウハでした。

今日のアルバムはEOL。このアルバムすっごく良いのにどこ見ても取り上げられないんですよね。確かに変態ナンセンスなジャケでこんなん買う気失せるかも知れん笑。燃えてるし、しかも砂漠、、ジャケはこんなでも内容は最高なんです。良い感じのintro#1からのDr.DreのNothin But~を下敷きにしたヒップホップな#2なんですが、Vocalモノのアルバムに必ずといってイイほどにこういうの入ってるんだけど正直いらないんですよ笑。数曲のこの手の曲を除いて、残りは良き90’sの心地よい生音が奏でる珠玉のスロウ郡。また数曲をMickael.J.Powellが手がけていて文句無しの出来ですよ~。#3はMickael.J.PowellがProd.してて、自身もパーカッションで参加してるんですけどこれが本当に心地いいんですよ。最初の低いリードの入り方もたまらない。これ自分で録音してYoutubeにのっけたいんですが笑。
ハズれたシンセが印象的な#4は重厚なコーラスが素敵なスウィートナンバー。#8はシンプルな限りなく優しい使いのアコギが本当に温かい。前面に出たパーカッションがエスニックな雰囲気を出しつつも、ヴィオラ、ヴァイオリンの演奏がクラシック的で壮大な感じ、というなんとも夢心地で不思議な曲。大好きです。フウウウウゥっていうバックコーラスも濃厚でNice。
#9はMicael.Jが手がけるシングル?かな。90年代を感じさせてくれるアニータベイカーネタの愛らしい万人受け必至のミディアム~スロウ。
#12は鳥のさえずりや虫の鳴き声などの自然のSEを効果的に使った曲で耳にすっと入ってくるスロウ。最近こういう最低限のシンプルな音で表現する心地いい音楽はなかなかないですよ。#14はアルバム唯一の切な系で。リードとバックの掛け合いがまた◎。
90年代後期の良心的なスロウが目白押しのこのアルバム、本当隠れたおすすめ盤です。

2010/12/12

Lejit/Lejit(1997)

97年発の超名盤で、インディーソウルファンのハートを鷲掴みにしたLeJitの1st。オークションで高額で取引されてたこの盤も再発盤が出るもまだまだ入手し辛い状況は変わらず。最近ではヴォーカルのRoi Anthonyが2ndアルバムをリリース!まだ聴いてないけど嬉しい限り!

1#では耳につく歯切れのいいラップから始まるスムースなミディアム。2#もそうだけどエロい曲が多くを占めてる。 最後のspokenでMarvinGaye,NotoriasBIGネタを使ってるとこからこのアルバムがどんなサウンドから影響を受けて作られているかわかる。4#はP-Funkチックのナンバー。こういう現代のフィルターを通した懐古的サウンドがたまんない。6#はタイトル通りの爽やかな夏らしいミドル。7#はカモメのサウンドエフェクトが海辺でのやりとりを思わせるロマンティックなバラッド。8#はSilky Sheetsってタイトルからしてそそられる極上スロウジャム。8#が本番だとすれば9#は前戯だね(笑)やりとりがまんま聞けます。これまでのエロ路線から一転、10#からは正統派バラッドへ。ブリッジで聴かせるRoiのソウルフルな熱い歌声は現行R&Bシーンではなかなか聴けないですね。この後もお腹いっぱいになるまで歌い倒してくれます。少々高くても買って下さい。値段相応いや、それ以上の素晴らしい盤です。

2010/12/11

Tashawn King/Tashawn King(2003)

男臭いバリトン+泣きシャウト。分かり易いこういうタイプのバリトンの歌い手ってあまりいないような気がする。このアルバムは十代後半におすすめ。
若くてフレッシュな印象を持たせる、ラテンノリのアコギに乗せて歌う#1。いきなり一曲目に君と僕と彼女でイケナイ事しようっていうめちゃくちゃな曲を持ってくる。”This is every men's fantacy"って彼は言い張ってるけどまあそうだな笑。
#2はフォンコールのSEから始まるこの曲は彼の真骨頂ともいえる泣きシャウトが爆発する。こんな大男が”マジで君に夢中なんだ”ってこんな泣き崩れそうに、感情的に吼えられたら痺れますよね。。ブリッジのFakeもイイ。#3は砂のさらさら~って音を効果的に使ったジェントルに歩み寄るスロウ。#4は若さ溢れるハッピーなアップでかなり良い。KDOなるラッパーも参加してこれならメジャーでも売れると思うけどな・・・インディーの世界は厳しい。#5は大人しめにしっとり。#8は泣きの度合いでいったらこっちの方が上じゃないかな。冒頭から泣きそうだもん。多重録音で泣いちゃうもん笑。他にも良い曲多数。安いだろうからおすすめです。

2010/12/07

Eric Benét/Lost In Time(2010)

最近の新譜はなかなか購買意欲をそそるようなものがなくて滅多に手を出さないんですが、これは即レジ行きでした。
あまりメジャー級のアーティストも取り上げる気も無かったんですけど、これは別格です!
二ヶ月ぐらい前にリークしてたシングルのSometimes I Cryを聴いた時から次回作はやばいと確信してたんですけど、これほどまでとは・・・。
正に今のR&Bシーンに活を入れるような、70-80年代を意識したサウンドでR&Bリスナーのみならずソウルファンにも満足できる内容になってます。
ほとんでの曲が数々の名曲を共に生み出してきたGeorge Nash Jr.との共作です!
ストリングスが織り成すクラシカルなサウンドに極甘な詩をのせた#1。この曲はつい先日婚約を発表した元プリンスの妻でもある彼女のために書いた曲だそうでプロポーズの際にうたったんだとか。いやあなんて男だ(笑)
#2は完全に70's Soulへのオマージュ。Ceryl LynnのGot To Be Realを彷彿とさせるようなディスコのダンスナンバー。Faith EvansをFeatureさせ、Georgy Porgyを思い起こさせるところもエグイ。
シングルの#3は天にも昇らんばかりのファルセットで、正に表題の様に泣くようにして、ソウルフルに歌い上げます。こんな気持ちの良いファルセッターが現行シーンに他にいるんですかね。
#4はフリューゲルホルンが心地よすぎる!ハープの使い方も素ん晴らしい、夢心地な一曲。
#5はEricのテナーとLevertパパのバリトンの両極が楽しめる。パーカッションなんかも入っちゃってこのアルバム生音の宝庫でもありますよ。#7では様々な楽器が入れ替わり立ち代りして、インストとしても最高!
ゆったりとしたグルーヴに愛娘Indiaをfeatureした#8。声がすごい大人っぽくなりました・・・。
#9は自身のヒット曲You're The Only OneをSamplingした終始高音で歌い上げる、なんとも切ない一曲。時代を感じさせるモロ70s音使いアップの#10。哀愁引き立たせる壮麗なストリングスが最後にふさわしい#11。これは文句無しの今年NO.1アルバム!
Neo Soulといえば去年カムバックしたMaxwellも一年間音楽活動休止を休止して、またニューアルバムを出すようなので期待大。。


2010/12/03

For Lovers Only/For Lovers Only(1994)

Motownからは当時Mind,Heart&SoulやBoyzⅡMen,Brik Citi,Soultry等、数々のボーカルグループ名盤が生まれましたが、このアルバムもその内の一枚です。ジャケもまたまた正統派を匂わす良い感じ。裏ジャケのタキシード、砂浜、裸足・・・彼ら海に入る気はさらさらありません。笑
このアルバムのミソはなんといっても後にテンプスのリードをも任されることになるTerry Weeks。ほぼ前編でリードを取っているんですが彼は同年代のシンガーと比較しても抜きん出た力量を持っていたんじゃないかと思います。これを何も知らずに買った当時でもビビッ!ときた記憶があります。他の二人も申し分ない位上手いんですけどね。
そこで彼らの良さを最大限に引き出した、ROBERTA FLACK & DONNY HATHAWAY/The Closer I Get To Youの珠玉カバー#3。これは個人的にオリジナルを凌駕してます。リードTerryの力強く、ムーディで表現力豊かな歌いまわし、トリオとは思えない位濃厚な失禁必至のハーモニー。体全体で歌っている光景が頭に浮かぶようなエモーショナルさ。文句無し!
他のスロウも彼らのグループ名For Lovers Onlyを正に体言するようなスウィートな世界観。ちょっと苦手なNJSナンバーも数曲ありますが、#3のためだけに買っても損はないでしょう~。

Serenade/The Serenade Experience(2000)

このアルバムは数年前に買ったんですが正直あんま聴きこんでませんでした。暗いアルバムっていったらAz Yetなんかの名前が挙がりますが、このアルバムはそれを遥かに凌ぐ暗さ。
でも#1のエロシングルだけはこのアルバム唯一の明るさがあります。歌は普通にうまい。
#2は悲愴感溢れるシンセが印象的なダウナー。こんな無理やり暗くしなくとも・・・笑。#8もまたまた悲しいメランコリックな曲。このノリでこの詩はちょっと病的。鬱になる。この手の音は好きなはずだったんですが正直通しでこれはきつい(笑)。#9はSWVもカバーしたマイケルジャクソンのWhere Are You Now。ぴったり重なったコーラス、哀愁を帯びた声といい、この曲は彼らにぴったりですね。#10はAlfonzo Hunter/Just The Way(Playa's Play)(元ネタ?)のピアノネタ使ってるんですがこれがかっこいいんですわ。これら以外はちょっと個人的に好みじゃないです・・・。人生楽しいことばかりじゃないしこういうアルバムが必要な時もあります笑。歌は上手いんで安かったら買ってみてください。
あと今までジャケなんかで色々な黒人さんを見てきましたが、久しぶりに顔ヂカラを持った人に出会えたので写真載せておきます。
Zaneさん


2010/12/02

4Shades/4Shades(2001)

炭酸飲料の広告みたいなジャケで冴えない感じ。内容の方も最初の#3まではジャケ相応といった感じでインディらしい並々ってなんです。が、#4のCraveでそんなそれまでの印象をことごとく打ち砕きます。IsleyのSummer Breezeネタをより現代風に、よりキャッチーにアレンジした耳に付いて離れないえろえろスロウジャムに。これは間違いない。白眉。数々のアーティストを手掛けてきたベテランTroy Taylorがプロデュース。J.AustinもWritingで参加。
#6は優しく包み込みこまれるような繊細なボーカルが素敵~なスロウ。この感情の豊かさは彼らならでは。コワモテなのにこんな声出しちゃうからね~日本人じゃただのコワモテで終わっちゃうよ(笑)#8は今にも泣きそうな哀愁帯びたボーカルがナイス。#11も歯切れの良いアコギのカッティングループが病み付きになる。他にも上質スロウが目白押し。このアルバムは本当隠れたインディー名盤ですよ。

2010/11/30

On Point/On Point(2003)

コネチカットからの三人組ボーカルトリオで裏ジャケ見る限りティーンですかね。
彼らはどうやらCarl Thomasのお気に入りで色々とお世話になっていたみたいで、当時はツアーのオープニングアクトを務めたり、詩を提供してたみたいだけど結局これ一枚っきりでシーンから消えたみたいですね。あーあーもったいない。
それで内容はというと極上です。美麗なメロディが目白押しでたまりませーん。中でもスロウ~ミッドが秀逸でかなりの佳曲揃いになってます。
#1のイントロの語りかけるようなラップで幕を開け、#2曲目でいきなりキラキラ激甘のスロウを持ってきます。個人的にはハイライトと言っていいほどの曲で心の準備が出来ておらず失禁しました笑。このリードみたいなこういう太っとい男らしいハスキー声が個人的に本当たまらないんですよね。Devante(改名後の新譜は商業ベース乗っちゃってて個人的に駄作だと思いました)とか。他のNeYo声君ともう一人のテナーのハモリ具合も絶妙で文句なしです。
師Carl Thomasが客演したクラブバンガーで地元でヒットしたアップの#3。#6もまたテンポの良いミッドでよろし。#9のフォンコールから始まるスロウもリードの奥から聴こえるコーラスに陶酔。#10はささやくようなエロ詩スロウジャムでもうこの時点でマスターピースはもう確定。
#12は結構オーソドックスなバラッドでしっとり。ばっちり惜しみなく聴かせます。
コーラス好きなら間違いないアルバムです。

2010/11/29

Kenoly Brothers/All The Way(1999)

99年産ゴスペルデュオの1st。なんか変わったジャケ。この兄弟相当スカイダイビングが好きらしく外、中ジャケ共にパラシュート装着してキメてます(笑)
そんで中身はR&B寄りのゴスペルといった感触だけど、やっぱゴスペルだし彼ら敬虔なクリスチャンみたいで#7みたいなコテコテの宗教的な曲が多々。サウンドは現行R&Bみたいに無駄に音も多くなく、シンプルな作りで彼らの透き通るような気持ちいいテナーが際立ちます。
#2は夜に映えるダンサブルなミッド。シングルカット?の#3は洗練されたNJS調の軽快なナンバーでこれは反則。Hookの女声テナーがすごい。#4は兄弟の超絶ハーモニーが冴え渡るナンバー。#5はヴォコーダー使いのR&B好きなら悶絶必至のスロウ。#7はパイプオルガンとアコギが織り成す、静寂っていう言葉がぴったりなサウンドに心が浄化されます。#9は徐々に熱を帯びていくボーカルがたまらないピアノオンリーのバラッド。#11はアルバムの中でもかなりうるさい方に入るだろうチキチキミドル。彼らのメッセージがこもった力強い布教ソング(笑)の#14。最後#17のしっとり壮大なバラッドで幕を閉じます…。兎に角捨て曲がなく粒ぞろいの傑作アルバムになってます。
Amazonでアホみたいな値段ついてるけど、ディスクユニオンとかでもっと安く買えます。かなりおすすめ。

2010/11/26

TaYSTE/Be Still(2001)

このブログを初めて最初の記念すべき一回目のレヴューは四人組コーラスグループのTAYSTE。
あのインディ好きなら言わずと知れたLEJITと張り合いに出されていて、これは期待大。。と思い購入。
ジャケからなんとも歌えそうな、正統派臭を漂わせていますね~ジャケが三人なのは内の一人がバイクで事故ったらしく写れなかったそう。大丈夫、生きてます。

結構歌える感じで三人のリード~ハイテナーになかなか迫力のあるバリトンが絡んで久々にちょっとビビっときました。
内容はというとサウンド面ではチープさが若干目立ちます。擬音使ったり、ヴォコーダー使ったりとインディならではって感じでよく言えばシンプル。
強いてLEJITの1stを陽とするなら、このアルバムは対照的に陰ですね。前編陰気が漂ってる。
妖しいシンセが印象的なヴォコーダー絡みの#1、#4はシンプルなドラムス、ピアノがボーカルを引き立たせるミディアム。#5も夜に映えそうなテンポの良いミディアムでラップが絡んでかっこいい。#6はバリトンが吼えまくる嬉し~いスロウ。ハイライトの#7はうねるようなエレキをなだめるピアノが印象的な極上スロウ。#10では90年代初頭のようなニュージャックサウンドを聴かせてくれます。#11はシンセを震わせたような独特なお化け屋敷?で聴こえてきそうな音を使ったダウナーソングですね。最後の#13がAre U Lonelyのリミックスなんですがこれがかっこいい!
LEJITに勝るとまではいきませんがインディ好きにはお勧めできる内容です。